人材戦略

人材不足時代の中小企業経営 ─ 「採る・育てる・諦める」の3軸で考える

📖 約9分 2026-06-13

人材不足時代の中小企業経営 ─ 「採る・育てる・諦める」の3軸で考える

図: 人材戦略の3つの選択肢(採る / 育てる / 諦める)
図: 人材戦略の3つの選択肢(採る / 育てる / 諦める)

「人が足りない」
「求人を出しても来ない」
「採れても、すぐ辞める」

地方の中小企業の社長さんと話していると、9割の方が口を揃えてこう言います。
日本の労働人口は2030年までに 約650万人減少 する見込み。これは「景気が回復すれば人が来る」というレベルの話ではありません。

では、中小企業の経営者は何をすればいいのか。
このコラムでは、「採る」一辺倒の発想から抜け出すための、3つの軸を提案します。


軸① 採る ─ それでも採用は必要、ただし「期待値」を変える

「採る」を諦める必要はありません。むしろ、必要不可欠です。
ただし、これまでと同じやり方では結果は出ません。

これまで:

これからの中小企業の採用:

「採る」のコストは確実に上がります。
それを受け入れる覚悟が、出発点です。


軸② 育てる ─ 「即戦力」を諦めて、社内育成に投資する

多くの中小企業の社長が陥る罠:
「即戦力が欲しい」

気持ちはわかります。
でも、即戦力は 東京の大企業 が押さえています。地方の中小企業が即戦力を採るのは、構造的に困難です。

では、どうするか。
答えは、「未経験者を、半年で戦力化する仕組み」 を社内に作ることです。

必要なのは:

これを 仕組み として作る。
一度作ってしまえば、その後の採用は「育てられる人材」を採れば良くなります。


軸③ 諦める ─ 「やらない仕事」を決める覚悟

これが、もっとも難しい軸です。

「人が足りない」と言いながら、毎日やっている業務を全部維持しようとする会社が、本当に多いです。
でも、人が足りないなら、業務量を減らす しかありません。

具体的には:

業務諦める選択肢
顧客対応不採算顧客との取引を整理
商品ライン売れ筋上位80%に絞る(ロングテールを切る)
営業エリア遠方を外す、近距離に集中
事務作業クラウドツール・AI で自動化
会議月10時間→月3時間に

「これも大事」「あれも大事」と全部抱えていたら、人手不足は永遠に解消しません。
社長の仕事は、「やらない」を決めること です。


3軸の組み合わせで考える

大事なのは、3軸の 組み合わせ です。

3つを 同時に動かす から、人材不足時代を乗り切れるのです。

あなたの会社の比率はどうですか?
たとえば:「採る 4割/育てる 3割/諦める 3割」のようなバランス感覚で、経営を組み立て直してみてください。


最後に

人材不足は、中小企業にとって 10年以上続く構造変化 です。
「景気が戻れば」「いつか人が来れば」と願っても、状況は変わりません。

でも、3軸で組み立て直した会社は、人材不足時代だからこそ 強くなれます
なぜなら、本当に大事な仕事に、本当に必要な人材を投入できるようになるから。

「採る・育てる・諦める」── まず、紙に書き出して、自社の比率を見直してみてください。


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